ご挨拶


科学技術顧問 佐藤 謙一 (Kenichi Sato)

 最近、高度な技術をベースにした環境にやさしいビジネスが持続可能な社会に重要であると考えられています。
 北海道環境バイオセクターでは、その潮流を捉えたビジネスモデルとして“発酵資材392”を用いた海洋性廃棄物の発酵処理、およびその発酵処理物の抽出液(海洋性サポニンを含む)を用いたカラス、ゴキブリ、アリ、ネズミの忌避剤、消臭剤を開発しています。

 最近の注目すべき関連研究によると、 ヒトデが産生する海洋性サポニンは、病原性を示すカビ類や、ヒト癌細胞に有効性であること、および昆虫類の忌避行動を誘発することが報告されるようになりました。
当社が得意とするヒトデ処理技術から得られる抽出物も様々な海洋性サポニンなどが含有していると思われます。
特に、カラス忌避製品は自信作です。では、なぜ忌避作用を誘発するかですが、我々の多くの経験はありますが、科学的に明らかになっていません。しかし、別の観点、特に鳥の目の構造が明らかになるにつれ、徐々に説明が可能になりつつあると考えています。
多くの鳥類、とりわけカラスの網膜上皮細胞の色を識別する錐状体細胞は4種類(ヒトでは3種類)あり、その細胞中には油球という特定の波長のみを透過させるフィルターが観察されています。そのため、カラスの目の重要な機能として紫外線をも感知することができるようです。実際、当社データでも、ヒトデ抽出物に光を浴びせると紫外線部分が強く吸収されることを確認しています。
カラス、カモメなどが「SARABA カラスくん」に強く忌避行動をとる一因は、このようなメカニズムが関与していると考え、さらに研究開発を継続する所存です。
皆様のますますのご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。
前 第一三共株式会社創薬研究所長
前 千葉大学客員教授
現 順天堂大学医学部COE感染制御科学非常勤講師 
獣医学博士